ジャポニカ小遣い帳

小遣い帳とブログをいっしょに書く

抜いてもらった話

先々月の下旬頃、下の前歯がめちゃめちゃ痛くなったので歯医者さんへ行った。

診てもらったところ、歯茎の根元が膿んでしまっている状態らしい。

僕は小学生時分に自転車レースで転んで、生えたての永久歯をぽっきり折ってしまったことがある。
一緒にいた友達(もう友達とは思っていない)は、親切にも地面でうずくまっている僕を独りにして先に帰宅してくれたので、痛みを堪えて自力で家に帰った後、母親に連れられて最寄りの歯医者に行った。
歯医者さんには、こりゃ神経ほぼ剥き出しだから神経抜かなきゃ知覚過敏で痛すぎて死にますと言われ、神経を取り除くことになってしまった。

その治療はとっくの昔に終わったのだが、大人になったら差し歯にするなりなんなりしてしっかりケアしたほうがいいよと言われていたのを今の今まで放ったらかしていたのがまずかったらしい。

膿んでしまった歯の治療は、歯にドリルで穴を開け、薬を注入して粘土みたいなので穴を塞ぐみたいなのを何回か繰り返すというものだった、と思う。

正直どういう治療をしてるかはあんまりわかっていなかった。自分の口内は見えないし、歯の神経がないので痛みもない。
治療中は天井のシミを数えていたので、歯医者さんの専用穴にされちゃったよぉ〜♡とか、歯茎内(ナカ)にたっぷり薬液出されちゃってるよぉ〜♡とか皆さんが期待しているような展開はなかったです。この最低男!

前歯の治療が終わった頃、他にも小さな虫歯いっぱいありますね〜みたいなことを言われた。
僕はフィリップスのクソたっかい電動歯ブラシを使って手磨きの10倍の力を手に入れているので無敵だと思っていたが、あなたの歯磨きはカスですというようなことを言われて泣いた。

じゃあそっちの治療もお願いしますということで、虫歯になっている親知らずを抜くことになった。

上の親知らずの抜歯はあっという間だった。歯に麻酔を打ったあと、ペンチでゴリゴリやってるなあと思ってたら抜けましたよと言われて、
え、終わり?彼氏より早くない!?というようなあっけないものだった。

なんだ抜歯って全然余裕じゃんと鷹を括っていたが、真の地獄はここからだった。
虫歯なんてバッシバシ抜いちゃってくださいよ、抜歯だけにwと調子こいていた僕は歯医者さんの言葉を聞いて戦慄した。

「下の親知らずは横向きに生えてるんで、まず歯茎を切ってから骨を削って、それから抜歯します」

ええ…それもう手術ですやん。絶対術後も痛いやつやん…


それでも覚悟を決めて臨んだ手術当日、
「本日は長時間の治療になります。血がドバドバ出て痛みも強いです。また神経の近くを切るので、数週間ほどピリピリと刺激を感じることがあります。本 当 に よ ろ し い で す か ?

え?なんで直前にそういうこと言うの?
怖いから帰っていい?

わざわざ予約取って来てるのにこのまま帰るわけには行かないので再度覚悟を決め、施術開始。

「痛かったら左手あげてくださーい」
もちろん、麻酔が効いてるので歯ぐきの切除も骨を削るのも痛くない……はずなのだが、先生の言っていた通り施術が長時間に及んだ為麻酔が切れ始め、ズキズキと痛みが。

僕は痛みに耐えきれず左手をスっと挙げた。
「あー痛いですか?もうちょっとなので頑張ってください」

あげても意味ないじゃんバカ!


抜歯が終わる頃には麻酔は殆ど切れ、血にまみれパンパンに腫れ上がった歯茎を押さえ、僕は薬局に駆け込み鎮痛剤をもらったのでした。

痛みは施術から一週間経った今も続いており、僕はまだ下の親知らずを一本残している。

僕はただ下の前歯を治療したかっただけなのに、どうしてこんなことになってしまったのだろうか。
歯医者は親知らずを親の仇のように憎んでおり、どうせ不要な歯だから、治してもまた虫歯になっちゃうから、とあの手この手で抜歯しようとしてくる。

親知らずが本当に悪なのか、僕にはわからない。
ただ、こんな痛い思いは二度としたくない。

皆さんは歯磨きをしっかりして僕みたいにならないよう気を付けてください。あと8月で仕事辞めました。